ウールニットテーラードジャケット 2024年 8月 19日
2024/8/19
ニットジャケットの始まりは、かなり昔に遡りますが、仲良くしていたイタリアのニット工場の社長さんに相談したことから全てが始まります。
最初はカバーオールの様なものを作ることから始まり、襟の大きさや返りを調整し、フロントカットがどの様な網目なら綺麗なカーブが出せるのかなど、様々な事を試していました。 当時、今ではフラワーホールのアイコンで有名なジャケットスーツメーカーのエージェントをしていた為、工場の社長にそのブランドと共にやろう!必ず売れるはずだからと説得して始めたのが最初の話です。
そのブランド(以降は華と略)の最初の展開は、ショールカラーのフロントカットがスクエアなモデルでした。最初のシーズンは世界で20着くらいしか売れませんでした。 しかし、ニットジャケットを作るにあたりどんな編地が最もふさわしいかというリサーチを重ねていくうちに、華の中でニットジャケットを改良させることが出来て少しずつ売れはじめました。“日本でしか売れないよ”と言われていたものが、海外でも人気が出てきて、シングル、ダブル、ショール、ピークドなどモデルも発展していきました。
次回に続く…
2024/8/27
Finjackを手がける様になり、ニットジャケットは必ずやりたいアイテムであったので究極のニットジャケットを作るというコンセプトのもと、ニットの技術とテーラードの考えを融合させてスタートしました。
市場にあったニットジャケットに足りないものは何か?という事を常に考えながらプロダクトに反映させ作ってきました。スタイリッシュである事、着やすいこと、ジャケットとして機能すること、ニットの心地よさがある事、これら全てが重要です。 ウールのニットジャケットを作るにあたり、編みの詰まり方、厚み、組織を常にリニューアルして理想的なウールの網地に辿り着きました。
一番大切だったのは質感とニットの特性を知る事です。 ジャケットの形にした時に網地ごとの特性が出るので、特性に合わせて縫製も細かく変えました。
ジャケットのようにラペルが綺麗に返り、袖を通した時にスッと通る適度なゆとりがある事(ニットジャケット は、往々にしてカーディガンの様にピッタリとしたフィットになる事が多い)が重要です。袖のボリュームには非常に気をつけなければなりません。
そんな過程を経て作られたのがこのニットジャケットです。 あくまでもジャケットの様な見え方をする事とニットの軽快な着心地を感じさせる事を意識して作られていますので、コーディネートも、新たにアイテムを加える必要はなく、今までのインナー、ボトムを使う事でリラックスしたジャケットスタイルを表現できます。 究極のニットジャケットを目指して作られたこちらの製品は、最も進化したニットジャケットの形です。