ウールジャージ
ダブルブレストジャケット
ネイビー

Finjack（フィンジャック）は“Advanced Sartorial Concept”をテーマに掲げ、伝統的なマテリアルや仕立て技術だけにこだわらず、その時代性のマッチしたアイテムを展開します。

布帛シリーズのヌーヴォラライン（ヌーヴォラ：雲のように軽い）の超軽量ジャケットです。ナポリ仕立てを駆使し、軽量さと柔らかさが格段にアップしました。手縫いのボタンホール、ラペルにはアメリカのヴィンテージ既製服を思わせる「ラインステッチ（インプントゥーラ・リネアーレ）」を施し、程よい存在感を加えています。

バルカポケットの角をわずかに丸く仕上げるなど、細部まで職人の手が行き届いた仕立てです。袖のボタンを廃した筒袖など、非常にモダンな仕上がりの中にクラシックな手仕事が息づく新しいナポリ仕立てです。

ピークドラペルは優雅な曲線を描きながらも誇張がなく、ナポリ仕立ての手仕事がもたらす自然な返りが印象的な仕上がりです。

使用したウールジャージは日本に数台しかない希少な編み機で生み出された素晴らしい素材です。この希少な編み機を用いることでニットに経糸を通すことができ、まるで布帛の生地のようなコシとハリを持ったニットが生まれます。この独特の表情により形態安定性が高まり、ニット着心地ながら布帛素材のような仕立て映えを実現しています。

ハリを生み出す為の経糸のナイロンが生み出す上品な艶感とシルバーのメタルボタンが非常にマッチし、とても上品なダブルブレザーが仕上がりました。

秋から春まで着用できる３シーズン対応のジャケットは、綺麗なウールスラックスやネクタイを合わせたドレススタイルはもちろん、デニムやニットなどを合わすカジュアルスタイルまで、コーディネートの幅を広げて活躍してくれます。

このジャケットを着た瞬間に本当にびっくりする軽さを実感しました。軽くて伸縮性が素晴らし着心地が生んでいるのに見た目にはきちんと構築感があって品がある不思議な感覚でした。

使った素材は日本が世界に誇るウールジャージ素材。丸編みのニットでありながらナイロンの経糸を通すことで、ニットならではの着心地と布帛のような仕立て映えのする安定性を実現した素晴らしい素材です。それをFinjackの持つナポリ仕立てと融合させることで本当に素晴らしいジャケットが出来ました。

ラペルにはイタリア語でインプントゥーラ・リネアーレと呼ばれるラインステッチを入れました。これは一見すると些細なディテールですが、服全体に生きた表情を与えてくれます。

実は展示会の際、日本のメンズファッション業界を牽引する中村達也氏がこのジャケットを手に取って非常にお褒めいただき、個人的にオーダーをしてくれました。

サンプルを見た瞬間に「バルカポケットの角の処理がすごく丁寧ですね」と仰り、細部までしっかり見られている方のその一言がとても嬉しかったです。そして「伸縮性のあるこの素材でこの上品な見え方はすごく良い」と言っていただけました。

袖を通した瞬間に伝わる軽やかさと、ふとした動作で感じる立体感。ドレススタイルはもちろん、カジュアルにも使え非常に品があるこのバランスこそ、今の時代に本当に必要な“リアルクロージング”だと思います。

何気なくさらり羽織っても様になる、それがこのジャケットの魅力です。

written by　Kotaro Shindo

単位：ｃｍ