2025年 4月 30日
THE SOLE BIS made by flathorityのキャンバスバッグ
絶対大手メーカーじゃ
つくれない!
THE SOLEが辿り着いた
至高のキャンバスバッグ、登場!
Masterplanが誇る名品を構成する〝5つの要素=5 Elements〟を、編集者・山下英介が解き明かすこの連載。記念すべきその初回は、「THE SOLE」から派生したセカンドブランド「THE SOLE BIS made by flathority」のキャンバスバッグです。
何を隠そう私とMasterplanのディレクターを務める神藤光太郎さんとは、けっこう長いお付き合い。美味しい食べ物、面白い人、上質なモノの存在を聞いたら、世界中どこへでも行かずにいられない人柄もよーく存じあげています。そして実際、それらに対する造詣も実に深い!
だからこそ、神藤さんから「化繊キャンバスでバッグをつくったから見てほしい」という連絡をもらったときは驚きました。だってその手のバッグは大手企業の独壇場。嗜好性の高い弩級のプロダクトを連発している「THE SOLE」で、わざわざつくる必要があるのかなって。
でも実際に現物を見たら、そんな思いは雲散霧消。旧式織機で織り上げたという再生ポリエステルによるマットな表地と、ワークブーツに使われるシボ革とのコンビネーションは上質かつ落ち着いた質感だし、芯地を省いた独特な二層構造によって、驚くほどに軽い! とてもよくできているんです。
しかも細部の始末が丁寧だから、長いこと使ってもそう簡単には劣化せず、むしろ風合いを増していきそうです。PCや資料などの荷物をたくさん入れても持ちやすいので、出張の多いビジネスマンには持ってこいだし、私のようなフリーランスにとっても使い勝手は抜群。
デザインの方向性は異なれど、1980〜90年代にかけて世界中のビジネスマンの間で大流行りしたTUMIやハートマンのように、合わせる服を選ばないんですよね。
「素材と構造を根本から見直して、クラシック好きな方にも満足していただけるような品質で、リアリティある価格の実用的なバッグをつくりたかった」と語る神藤さん。
取材が終わるや否や「じゃあ山下さん、これから〝帝国湯〟行ってきますわ」と言い残し、ビスポークのスーツにこちらのリュックを背負った姿でLuupにまたがると、都内最高温度を誇る銭湯へと向かうのでした。とことんまでやる人だな・・・。
でもきっと、そんな彼のこだわりや暮らし方が反映されたものだからこそ、このバッグをはじめとする「THE SOLE」ブランドのプロダクトは、単なる嗜好品でも、単なる実用品でも終わらないリアリティを宿しているのかもしれません。
これからそんな名品をたっぷりご紹介していくので、楽しみにしていてください!
1.
旧式力織機で織った
再生ポリエステル!
このバッグに使われている素材は、再生ポリエステルのキャンバス。まるでコットンのように自然でふっくらとした風合いが特徴のこの生地は、なんと岡山県にある旧式の力織機で織られたものだとか。
どうりで、デニムやツイードを彷彿させる、愛着を持てる質感です。しかも防水性も備えているから、バッグにはぴったり。いい意味で主張が強すぎないので、ビジネスからカジュアルまで使えるのはもちろん、ブリーフケースなら冠婚葬祭のシーンにも対応できるでしょう。
2.
裏地を芯地がわりにした
革新的構造
通常ビジネスバッグの生地は、表地と裏地、そして芯地という三層構造。
しかしこのバッグは人工スエードを裏地がわりに貼ることで、1枚で芯地と裏地の役割を果たしています。これによって驚くほど軽量なのに、ハリのある生地がつくれるのだとか。
普通のナイロンバッグとは一線を画すビジネスバッグとしての風格は、この二層構造の賜物と言えるでしょう。加えて裏側のパイピング部分も芯地的役割を果たしているので、シャキッと自立するのも嬉しいポイント。床や地面に置いた時にヘタってなるの、ちょっとわびしいですもんね。
3.
ワークブーツ用レザーを
ハンドルに!
このバッグのハンドルやパイピングに使われている素材は、ワークブーツをつくるための剛性の高いレザー。
防水性の高さと銀浮き(表面のボコボコ)のしにくさを兼ね備えたこのレザーは、酷使されトラブルが起きやすいバッグのハンドルには、最もふさわしい素材です。内部には芯地を入れているので、荷物をたくさん入れても伸びにくく、持っていないときもピンとして、美しく高級感のあるフォルムをキープしてくれます。
ちなみにハンドルと交差させたレザーのパーツは補強の意味合いもありますが、内側のポケットを留めるためのリベットを隠す役割も果たしています。かなり考えられているな〜。
4.
シンプルなデザインに
秘めた工夫の数々
新聞やペットボトルを入れるためのポケット、トローリーケースのハンドルに通すこともできるスリット(ブリーフケース)、そしてキーホルダーetc.・・・。
一見シンプルなデザインですが、その背景にはリアルに使える機能の数々が。神藤さん自身が国内とヨーロッパを飛び回る出張族だからこそ、ビジネスシーンでの使い勝手には徹底的にこだわっているのです。
5.
ビジネスシーンから
休日まで!
しっかり自立するトートバッグとブリーフケースに加えて、PCを入れて背負いやすいリュックサックや、アフターファイブや休日にぴったりのワンストラップ型ミニバッグをラインナップしています。
時代が求めるスタイルや機能は常に進化しているので、ひと昔前にオールマイティな大定番としてビジネスマンの間で君臨していた名品バッグも、えてして現代の使い勝手にはマッチしないもの。
長年ビジネスバッグを新調されていないという方は、ぜひこちらをお試しください。きっと驚くから!
PROFILE
山下英介
やました・えいすけ/1976年埼玉県生まれ。『LEON』編集部を経て、『MEN’S Precious』のクリエイティブディレクターを務める。現在ウェブメディア「ぼくのおじさん」編集人。