Tシャツからスーツまで


今回のB-3で僕が一番気に入っているのは、着こなしの幅がものすごく広いことかもしれません。
B-3というと、デニムやチノ、ミリタリー系のパンツと合わせるイメージが強いと思います。
もちろん、それはそれで格好いい。

今回作りたかったのは、それだけではありません。

極端に言えば、Tシャツからスーツまで着られるB-3です。
秋口なら白いTシャツにパンツを合わせて、その上から羽織るだけでもいい。
すごくシンプルですけど、ブラックのムートン自体に存在感があるので、それだけで十分に格好いいと思います。

もう少し寒くなったら、ニットにウールパンツを合わせる。
少し太めのデニムやパンツでもいい。ここまでは、B-3として自然な着こなしですよね。
今回のものはその先までいけると思っています。

ジャケットの上にも着られるし、僕はスーツにも合わせたい。
グレーやチャコールのスーツを普通に着て、その上からブラックのB-3を羽織る。靴も黒でまとめる。
こういう着こなしは、かなり格好いいと思います。

Tシャツの上から着て成立する服が、スーツの上に着ても成立する。

僕は、ここが今回のB-3の面白いところだと思っています。
もちろん、何にでも合うという意味ではありません。
カジュアルにもドレスにも中途半端なのではなく、B-3としての存在感はしっかりとある。
そのうえで、合わせる服によって見え方が変わるんです。

TシャツやデニムならB-3本来の男っぽさが出るし、ウールパンツならぐっと都会的になる。
ジャケットに合わせれば、少し力の抜けたドレススタイルになる。
そしてスーツに合わせると、クラシックな装いにミリタリーの強さが加わって、また違った表情が生まれる。

僕が今したい着こなしは、まさにこういう感じです。
気に入ったものを、その日の合わせ方で自由に着る。
普段着ている服の延長線上で自然に取り入れられる。
そういう服の方が、結局よく着るんですよね。

昔の名作をそのまま再現するのも、ひとつの考え方だと思います。
でも、MOLECでやりたいのは、単に昔の服を再現することではありません。

何が格好いいのかを考えて、残すところは残す。
今の時代に合わせて変えた方がいいところは変える。
そうやって、今、自分たちが本当に着たいものにする。

今回のB-3は、そういう意味でも、かなり納得のいくものになったと思っています。