フラップトートバッグができるまで 2024年 7月 16日
2024/7/16
「横長のトートバッグのように使えて、蓋のできるものが欲しい」という声をお客様から聞くことが度々あり、どんな形なら理想に近いものができるかということを考えて作成を開始しました。
バッグを作る際に、まず最初に考えるのはサイズです。サイズを割り出す際にまずどのようなシチュエーションで使用するかを想像することから始めます。
格好良くて、仕事やプライベートで使えて、小旅行にも対応するバッグを作りたいと思いました。となると容量は一般的なブリーフケースより収納力のあるもののほうが良いということになります。
そうなるとサイズは必然的に決まってくるのでブリーフとボストンバッグの中間のようなサイズに決めました。
次回に続く…
2024/7/23
ある程度の収納ができるバッグとなると、荷物の量が多くなり、重量が嵩む状態での使用が考えられますので、頑丈な底板を採用します。
荷物を入れた際に鞄の底が歪んでしまうケースは、高級品も含め数多くみてきました。 型崩れしないように、底板は頑丈であるべきだと考えるのがTHE SOLEの鞄です。 良いものを長く大切に使うための設計を心がけています。
底鋲は無垢の真鍮を選択することで長く使えば使うほど素晴らしさを感じていただけると考えています。 同時に、バッグで最も大切なパーツの一つが、ハンドルです。 ハンドルは荷物の重量を受け止め、本体と持つ人を繋ぐパーツです。 人の手が触れるが故に細心の注意を払って作られるべきだと考えています。 ハンドルの形状、作り方、取り付け方が変わることで劇的に鞄の品質が変わると考えています。
THE SOLEのバッグのハンドルは、裏表に革を重ねて削って整形した芯を配することで、手にした際の荷物のあたりを柔らかくしようと考えています。 そのためハンドルには多大な時間とコストをかけることになります。 頑強で持ちやすく手持ち感が素晴らしいバッグを目指しています。
次回に続く…
2024/8/1
スタイルは、カジュアルからスーツまで対応できるもので、ディテール一つ一つに意味のあるもの、また、手元に置いておきたくなるような満足感と、触れた時にいいものだとわかる質感、見たら伝わる重さでない重厚感を持った鞄を作りたいと考えました。
フラップ(蓋)に硬さとハリと重厚感を持たせることで、ラフに被せてもしっかりと被せても様になるように、通常では使用しないほどハリのあるしっかりとしたパーツを使用します。フラップの取り付け部分にも入念にコバ磨きを施します。フラップをしっかりしたものにすることで個性的で贅沢な印象のバッグとなります。
蓋を開けた状態だけで使える、セキュリティーのためにしっかりとも蓋を閉じる仕組みがある、蓋を被せただけの状態でも使える、3WAYで仕様することも可能になります。バッグをきっちりと閉めるための仕組みを色々と検証しました。レザーだけのシンプルなものもたくさん考えました。
シンプルな仕組みで個性があるデザインを目指すために、東京の町工場さんの力を借りて特別な金具を削り出しの真鍮で作りました。鋳造でなく削り出しで作ることでよりメカニカルな印象を与え、手のかかったプロダクトであることを印象付けるデザインを目指しました。16個ものパーツが組み合わさり、シンプルな二つの金具となることで重厚感と立体感を持った素晴らしい金具となりました。バッグのデザインと機能を内包した個性的でシンプルな金具です。
レザー、金具、仕立、ディテールが一体になることでこのフラップトートバッグが完成しました。